“マッチ売りの少女” 小杉小二郎作
雪の降りしきる大晦日の夜、少女が一人、マッチを売っていました。
マッチを売らなければ父親に叱られ家に入れてもらえないため、少女は一生懸命マッチを売ろうとしますが、年の瀬で忙しい人々は、少女に見向きもしません。
夜も更け一層寒くなってきました。
少女は、少しでも身体を暖めようとマッチに火をつけました。
するとどうでしょう、マッチの炎のなかに、暖かそうなストーブや美味しそうなガチョウの丸焼きなどのご馳走が現れました。
しかし、それらはマッチの炎が消えるのと同時に消えてしまいました。
少女はがっかりしましたが、もう一本マッチをすりました。
すると、枝に沢山のロウソクが輝いている大きなクリスマスツリーが現れ、そのロウソクはゆっくりと天高く昇り、次々と星になっていきました。
そのなかの一つが流れ星となって流れ落ちるのが見えました。
少女は、可愛がってくれたおばあさんの
「星が一つ落ちるとき、一つの命が消えようとしているんだよ」
という言葉を思い出し、おばあさんにとっても会いたくなりました。
マッチを一本すってみると、光のなかでは、大好きなおばあさんが微笑んでいました。
少女は、おばあさんがいなくなってしまわないように、残っているマッチを一本、また一本と燃やし続けました。
おばあさんは、少女を優しく抱きしめながら、天国へと昇っていきました。
新年の朝、少女は、マッチの燃えかすを大事そうに抱え、幸せそうに微笑みながら横たわっていました。
マッチを売らなければ父親に叱られ家に入れてもらえないため、少女は一生懸命マッチを売ろうとしますが、年の瀬で忙しい人々は、少女に見向きもしません。
夜も更け一層寒くなってきました。
少女は、少しでも身体を暖めようとマッチに火をつけました。
するとどうでしょう、マッチの炎のなかに、暖かそうなストーブや美味しそうなガチョウの丸焼きなどのご馳走が現れました。
しかし、それらはマッチの炎が消えるのと同時に消えてしまいました。
少女はがっかりしましたが、もう一本マッチをすりました。
すると、枝に沢山のロウソクが輝いている大きなクリスマスツリーが現れ、そのロウソクはゆっくりと天高く昇り、次々と星になっていきました。
そのなかの一つが流れ星となって流れ落ちるのが見えました。
少女は、可愛がってくれたおばあさんの
「星が一つ落ちるとき、一つの命が消えようとしているんだよ」
という言葉を思い出し、おばあさんにとっても会いたくなりました。
マッチを一本すってみると、光のなかでは、大好きなおばあさんが微笑んでいました。
少女は、おばあさんがいなくなってしまわないように、残っているマッチを一本、また一本と燃やし続けました。
おばあさんは、少女を優しく抱きしめながら、天国へと昇っていきました。
新年の朝、少女は、マッチの燃えかすを大事そうに抱え、幸せそうに微笑みながら横たわっていました。
小杉小二郎 -略歴-
|
|
作家コメント
「幼い頃、花咲じいさんやら桃太郎、そしてイソップとかアンデルセンといった絵本の世界に入り浸って、そのなかで一緒に遊んだものです。木版の温かな味わいが柔らかく表現できるよう願って描きました。描きながら気持は、あの頃に戻っていました。」
(アートコレクター2009年12月より抜粋)